2026春号 TOPICS
【ARTS】
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アーティゾン美術館でクロード·モネの展覧会
印象派の巨匠クロード·モネ(1840‒1926)は、自然光の移ろいに魅せられ、その美しさをカンヴァスにとどめようと生涯をかけて探求した画家。今回はモネの創作活動に新たな光を当てる、全く新しいモネの展覧会だ。モネの作品41点を含む、オルセー美術館所蔵の約90点に、国内の美術館や個人所蔵作品を加えた合計約140点で、風景画家としてのモネの魅力に迫る。5月24日まで。

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【CINÉMA】
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キムタクの「TOKYOタクシー」
クリスチャン·カリオン監督作『パリタクシー』を原作にした映画。個人タクシー運転手木村拓哉は、85歳の倍賞千恵子を乗せて、東京の柴又から神奈川の葉山にある高齢者施設まで送ることになる。彼女の希望でいくつか寄り道をするうちに心が通い合う。やがて彼女が自らの壮絶な過去を語り始めたことをきっかけに、それぞれの人生が大きく動き出す。キムタクが普通の運転手になりきっているところがいい。山田洋次監督の力量か。

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【RESTAURANT】
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荻窪で人気のフレンチ「オーケストラ」
荻窪は、ラーメンで有名だけれど、穴場のフレンチも何店か。ここはワンプレートフレンチ が人気。主菜。冷製オードブル、温製オードブル、メインディシュが選べ、あとはアントレ、スープ、ハヤシライス、デザートなどが、大きなトレイにセットされて、目を奪われる。それで2640円は高くない。目新しい気軽なフレンチが体験できる。TEL:03-6383-6039

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【CAFÉ】
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御茶ノ水の画廊喫茶「ミロ」
その昔は三島由紀夫など文人達が通ったという歴史ある喫茶店。今は、2代目が店主とか。古びてはいるが、店内の壁にはミロの絵が飾られ、メニューには今も山本蘭村の絵が使われている。コーヒー、紅茶から、ランチまで。御茶ノ水駅前の小路を入った目立たない店。営業日、時間は不定期なので、行く前に要問合せ。TEL:03-3291-3088

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【BOOKS】
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『ウロボロスの環』 小池真理子 著 集英社
帯文に【現代文学の名手が贈る心理小説の白眉】とあるが、昨今の彼女の作品の中では、群を抜いている。1989年、彩和と俊輔の結婚を祝う会が開かれた。前の夫を若くして亡くし、必死で幼い娘を育ててきた彩和にとって、それは人生の安泰が約束された幸福な瞬間だった。後に、俊輔の思わぬ一面を知ることになろうとは夢にも思わず―。後半にかけての展開は意表をつく。読み終わるまで本が閉じられなかった。2025年10月23日刊 2500円

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『ミス·サンシャイン』 吉田修一 著 文春文庫
心に傷を負った大学院生·岡田一心は伝説の映画女優·和楽京子こと石田鈴の自宅で荷物整理を手伝うことに。引退した今なお美しい鈴の胸に秘められていた波乱万丈な映画人生、原爆が奪った運命と大切な人たち―その過去に触れるうち、一心の胸にあたたかな光が灯る。『国宝』の著者の、清冽な感動に包まれる島清恋愛文学賞受賞の傑作長篇。最高に泣ける。2025年-8月10日刊 700円

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『ブラック·ショーマンと覚醒する女たち』 東野圭吾 著 光文社
『ブラック·ショーマンと名もなき町の殺人』の続編のミステリー。バー「トラップハンド」の謎に包まれたマスターで元マジシャンの神尾武史を主人公に、前作に引き続き武史の姪の真世が登場。彼の華麗なるマジックによって変貌を遂げていく女性たちが描かれた『リノベの女』、『マボロシの女』、ほか5編。相変わらず面白い。2024年1月30日刊 1800円

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『方舟を燃やす』 角田光代 著 新潮社
口さけ女はいなかった。恐怖の大王は来なかった。噂はぜんぶデマだった。一方で大災害が町を破壊し、疫病が流行し、今も戦争が起き続けている。何でもいいから何かを信じないと、今日をやり過ごすことが出来ない。飛馬と不三子、縁もゆかりもなかった二人の昭和平成コロナ禍を描き、「信じる」ことの意味を問いかける長篇。2024年2月25日刊 1800円

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『90歳、男の一人暮らし』 阿刀田高 著 新潮選書
2025年12月で5刷り。カバーも新しくしている人気の老境エッセイ。突然始まった単身生活。モットーは「“まあまあ”でいいじゃないか」。簡素に食事を調え、落語は読んで鑑賞、旧知の場所を訪ね、亡き人の思い出に親しみ、眠れぬ夜は百人一首を数える――迫りくる老いを受け止めながら日々を軽やかに過ごすコツを伝授し、人生の豊かさを再認識させてくれる。短編小説の名手として注目していた直木賞作家だ。2025年9月25日刊 1700円
