寒柝やちろりの酒をちびちびと 三椏やのばしのばしの便り書き 春の雪ひらりひらひらでも止まず 探梅の行きつくところうどん屋で あら今日はもういちめんや犬ふぐり おつとつと除けて地獄の釜の蓋 芙美子忌の綿飴すぐにしぼみたる 風吹けば笹にすがつて小蟷螂 もう一度逢ひたき人や墓洗ふ 背高泡立草一人ハモニカ吹いてをり