『花のもとにて』自選十句 待ち切れずしつけ糸抜き花衣 翁草けんくわしながら共に老い 雲白しハンカチの花なほ白し ありし日の母をしのぶや花しきみ 下野草や募る思ひをもてあまし 朝顔の蔓のゆくへは知らぬこと きみ逝きて紅葉あかりの中にかな 掃き寄せし桜紅葉にはづれ籤 落葉掃く男の肩に落葉降る 蠟梅やたをやかに歳重ねたき