古びたる茂吉の歌碑や注連縄きりと ケーブルのぎしつと止まり寒椿 春の風邪大根飴でなほりもし 帰りには夜桜のちと不気味なる 木瓜咲くや急に押入れかたづけて たたみ古り武者人形のさらに古り 風入れや捨てかねしものいよよ増え 源義忌色紙の文字の奔放な 末枯を来て熱々のきつね蕎麦 イヴの夜やいつもの場所に易者ゐて ※以上の作品は、新作ではなく、 過去、「童子」掲載の作品から抜粋しました。