松迎して静かなる夜の雨 古びたる茂吉の歌碑や注連縄きりと 炉咄や爺手離さぬ火吹竹 初午や鳥居てらてら塗りたてで 雛飾る一尺五寸の床柱 子規庵を出でて買ふなり桜餅 花過ぎの使ひ慣れたる急須かな 遊船や千住橋からぞろと乗り 手花火や思ひだす人増えてきし 図書館の天鵞椅子も秋彼岸