白梅や庭から猫がのっそりと 花冷えの古新聞を束ねたる 英字紙にくるまれておりスイトピー 恋告げよ線香花火の落ちぬまに 通院の栃の木通り青時雨 緑陰のお茶にうつりし青葉かな 洋館の白き窓枠夏の雲 河童忌や神保町は雨しきり 夏果ててサルビアの道続きけり 秋灯ときめいて読む森瑤子