龍渕に潜みいよいよ飯うまし 封筒の絵の色褪せて夢二の忌 彼岸花太宰の下宿朽ち果てて 井戸端や小石にからむ夏の草 板さんは男前なり西鶴忌 階段の上まつ暗や武者人形 豚カツ屋にておかはりす昭和の日 漱石も太宰も眠し花の昼 寒紅をひいて別れを告げにけり 山の湯や落葉すくひの網破れ