危険がいっぱい！　ＳＮＳ

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　朝の「おはよう」も、夜の「おやすみ」も、私はパソコンに向かってやっている。この「康子の部屋」の作業も、お手伝いしている俳句結社誌「童子」の編集の仕事も、趣味の小説や俳句やエッセイも、そのように、私は一日の大半をパソコンと共に過ごしている。スマホは電話連絡や、ＬＩＮＥなどでは使っているが、やはり本格的に文章を書く時や、インターネットで検索をするときは、パソコンが使いやすい。画面も大きくて見やすい。

　ところが、先日、パソコンでＳＮＳを開いていたら、「友達リクエスト」欄に、見知らぬ女性が「あなたについてコメントしました」とある。「なんだろう？」と気軽にクリックしたら、さあたいへん。画面がぱっと変わって、「あなたのパソコンに『トロイの木馬』が侵入しました」との警告が表示された。
　×を押しても、強制終了しても、画面が動かない。困り果てて、うっかりそこに書かれていた電話番号にスマホから連絡したら、外国人の男が片言で出てきた。名前も名乗る。男の指示通り画面に入力していったら、デスクトップが戻って、その経費として５万円請求された。入金のための、「グーグルプレイカード」を、すぐコンビニで買ってくるようにも指示された。入金が確認できるまで、パソコンを閉じるな、電話も切るなと。そこで私ははじめてこれは偽警告、詐欺だと気付いた。

　ＳＮＳ には、時々、「知り合いかも」という欄がでてきて、本当の知り合いや、知らない人の顔が並ぶ。私はＳＮＳ上では、原則として顔見知り以外とは、「友達」にならないから、この欄もそのたぐいだと思った。でもあとでよくよくみれば、上に小さく「広告」という字がはいっている！この欄は、偽警告で人をだますオトリ広告だったのだ。ドキドキして、震えがとまらなくなった。

　私は怖さのあまり、パソコンもスマホもそのままに、パソコンに強い隣人宅へ駆け込んだ。隣人はたまたま在宅していてすぐ来てくれ，スマホの発信者を着信拒否にし、パソコンも切ってくれ、ようやく難をのがれた。隣人は、「なおこれは応急処置だから、今後パソコンを悪用されないよう、初期化するか、アドレスを変更したほうが安全だ」と教えてくれた。
　そこで私は、ふだんから入会している信頼できるパソコンの「電話＆リモートサービス」に、事情を説明し相談した。私はいざというときのために、そこの「パソコンバックアップサービス」にも加入していた。
　相談の結果、やっぱりパソコンはデータを初期化して白紙の状態に戻し、「バックアップデータ」からデータを復元するのがいいということになった。それにかかる費用は無料、ただし普段通りに使えるまでには時間がかかるということだ。
　確かに時間はかかった。今あるパソコンデータを白紙に戻すのは半日ですんだが、データを復元するのに一日。新しいパソコンを買ったような状況だから、元のように使いこなせるようになるのには、さらに一週間かかった。
　そして私は、そこの「広告ブロックサービス」にも新たに加入した。全部の広告はブロックできないが、目立つものは出なくなった。「パソコン命」の私には、毎月、総合計２２６０円は、「パソコン保険代」と思っている。
　警視庁によれば、「ＳＮＳ詐欺」の被害額は前年より約３倍も増加。「オレオレ詐欺」などの特殊詐欺の被害額を上回ったという。ＳＮＳはちょっと気を許すととんでもないことになる。これからはさらに注意しようと肝に命じた。
　今でもパソコンの前に座ると、あの偽警告の画面がよみがえって緊張が走る。これからパソコン仕事を続けるうえで、とても痛い体験だった。今や泥棒は、玄関や窓から入る泥棒より、パソコンから入ってくる泥棒のほうが怖い。個人情報をすべて盗まれかねない。今回はおろかな自分の自戒ためにこの文章を書いたが、さらに少しでも皆様のお役に立てばと思っている。

　加えてスマホもこのところトラブル続き。長電話していると熱くなる、写真の不鮮明は当初から、最近は電源の減りが早い、画面表示の明暗が頻回、ヘルスケアのデータや電話の履歴が更新されないなどの連日のトラブルで、思い切って最新型の「アイフォン１６e」に買い替えた。お店の人に、「買い替え時には、八十歳以上は付き添いが必要という取り決めがあるが、お客様と話している限り、若い人と変わらない理解力だから、一人でいい」と言われた！
　出費も嵩んだし、とにかく疲労困憊！　パソコンもスマホも、今や私の暮らしの必需品。今度は安全に長続きしてほしいと願っている。