突然!「バスルーム」をリフォームすることに
2023年9月05日 [ No.127 ]
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昨年、このマンションの大規模修繕をしたとき、その業者に室内を点検してもらったら、浴室のタイルに走るヒビを見て、「放っておくと水漏れで階下にも迷惑をかける。ユニットバスだから、リフォームするなら浴室全体を交換する工事が必要」と言われた。浴室内はきれいだったし、ほかに問題もなかったから、まさに寝耳に水。私はこのマンションに住んで三十年、床、壁、天井から、浴室を除く水回りもリフォーム済みだったから、もう家のリフォームは終了と思っていた。でも水漏れを起こしたりしてはたいへん、とにかくリフォームをしなければと、思い返した。 このヒビは、東日本大震災の時にできたもので、うちだけではなかった。同病?の親しいマンションの隣人たちにも声を掛け合って、まずTOTOのショールームを見学に行った。私もしばらくインテリアや、住宅の仕事から遠ざかっていたので、隔世の感。びっくりするほど新しい機能の浴室機器が展示されていた。 リフォームすれば、見かけだけでなく、現在の浴室とは機能的にも大差がつくことがわかって、私達は三軒いっしょに、リフォームすることにした。そして私達のマンションに精通している地元の業者に依頼し、見積もりをとってもらった。予想以上の金額になったが、最後のリフォームと思って、踏み切ることにした。 その見積もりをもとに、業者と共に再度TOTOのショールームへ行って、細かな打ち合わせをした。壁柄、浴槽、床、カウンター、タオル掛け、ランドリーパイプ、照明、水栓、シャワー、鏡、収納棚、天井換気器具、ドアまで、一つ一つ現物で確認し、TOTOの人が 模型を組み立てて見せてくれ、あれこれ組み替えて見たりして、それぞれの細部までの仕様が決定した。 そして最終的な見積もりが出て、工事日の日程もきまった。工事期間は三日。一日目は古い浴槽ごと、バスユニットを解体して搬出し、新しい床、浴槽、壁、天井の搬入組み立て。二日目はその調整、水栓金具などの取り付け、排水管接続。夜にはもう新しい浴槽が使えるとのこと。三日目は、浴室に隣接する洗面所も一部壁をこわさねばならなかったので、そこの壁紙の貼り替えが行われ、夕方には真新しいバスルームが誕生したのである。私は昨年の大規模修繕の工事の騒音に辟易していたから、始めの二日間は旅行に出かけて家を空けた。でも隣人に訊いたら、室内の工事だから音は大したことはなかったそうだ。 新しい浴室を覗くと、統一感のあるコーディネートで、すっきりしたバスルーム空間に生まれ変わっていた。足を踏み入れてまず驚いたのが、マンションなのに浴室が広くなったこと。業者によれば、壁の厚みと強度はそのまま、浴室と外壁の間のデッドスペースを最小限に抑えることで、浴槽がプラス5cmサイズアップ、洗い場も+10cmサイズアップしたので、前より広いスペースが生まれたという。同じ浴室なのに、浴槽内で手足を伸ばすと、膝を曲げなくてもゆったりと湯につかることができる。洗い場も広くなった。あーら不思議というものだ。 床は、床の内側にクッション層があるので、畳のような柔らかさを実現。同時に断熱材の役割も果たすので、冬場の一歩目もヒヤッとしないそう。風呂マットの必要もなく、翌朝にはからりと床が乾いている。排水溝は、ごみも髪の毛も捨てやすく、悩みだった浴室掃除もらくになった。 換気扇も以前は換気しかできないうえ、タイマーも壊れていたが、今回は「浴室換気暖房乾燥機」に付け替えた。「24時間換気」は、24時間換気運転ができるので、タイマーを押せば気密性の高いマンションでも24時間室内の空気を入れ替えられる。「暖房」では「入浴中」、「入浴前」のモードが切り替えられ、冬場の風呂場の寒さを緩和。「衣類乾燥」もでき、冬場や梅雨時の衣類の乾燥に役立つ。「換気」では換気が、「涼風」では送風ができる。高齢者の死亡は浴室が多いと聞くが、これを設置したから、ある程度それも予防できそうだ。 昨年末、マンションの大規模修繕が終了してほつとしたと思ったら、浴室内の壁タイルのヒビを指摘され、まず二月の初めにTOTOのショールームを見学。五月に最終見積もり。そして七月十二日から三日間で、浴室リフォーム工事が終了した。これからはマンションも私自身も、何事も起こらず、穏やかに暮らしたいものだ。