新型コロナウイルスワクチン接種2回目を終えて
2021年08月05日 [ No.102 ]
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杉並区の広報誌「広報すぎなみ」4月15日号に、「新型コロナワクチン接種のクーポン券(接種券)を発送します」というお知らせが載った。やっとワクチン接種が受けられるのだ。待ちかねたクーポン券は、青い縁取りの封筒に、お知らせと、予診票と共に4月25日に手もとに届いた。ここからが戦いのはじまりだった。まず予約をしなければならない。インターネット予約と電話予約がある。私は、同時進行することにした。 受付開始日時は、4月30日午前9時からとある。私はその時間に合わせて、パソコンの前にスタンバイし、片手にはスマホを握りしめた。9時の時報と共にまずスマホで、電話番号を押した。案の定「今電話が混み合っていますので、お掛け直しください」との応答。履歴に残された番号に、間を置かず掛け直したが、何度掛けても同じ応答でまったくつながらない。 それならばと、ネットにアクセスしてみた。特設ページは開いたが、「ワクチンのご予約を一時停止しております。リロードしないようお願いします」と書かれていて、これも何度やっても画面はまったく変わらない。きっと電話にもインターネットにも、接種希望が殺到しているのだろう。 とにかく電話はあきらめて、ネットに絞ってやっとつながったのが、夕方5時過ぎだった。ネットに、接種券番号や、パスワード、予約の希望日、希望の接種会場を入力していくと、6月7日、4時20分、桃井原っぱ公園(仮設建物)の予約がとれた。パソコンに、杉並保健所からの予約確認のメールも届く。丸一日がかりの予約作業が終了したのだ。予約方法は地方自治体よってさまざまなようだ。かかりつけ医で接種できたり、訪問接種をしてくれるところもあるという。ネット予約というのは、不慣れな人には難しいだろう。 6月7日は、バスで会場に出向いた。その名のとおりだだっぴろい桃井原っぱ公園の奥に、その仮設建物は設置されていた。それまでは医療従事者専用だったが、一般にも開放されたそうだ。建物の外のテント下に並べられた椅子が待機場所だった。75歳以上の人が対象だから、杖を突いた人、家族に付き添われた人、車椅子の人などが次々集まってくる。私は、自分の足で来られてよかったと思った。 20分おきに予約時間が決められていて、密になることもなく、順番に会場に導かれた。手指の消毒、検温のあと、建物内の受付で持参の書類の確認、次に予診票の確認、その次は医師による問診、そして看護師によるワクチン接種、経過観察15分、最後に予防接種済証が交付されて終了となった。流れはスムーズで、30分とかからなかった。 その日は、「ほんとうにワクチン接種をしたの?」というくらい、副反応はなかった。でも翌朝起きたら、腕が上がらないほど痛い。熱っぽく、だるい。「来たな!」と思って、朝食を食べていたら、腕の痛み以外は何ともなくなっていた。 杉並区の場合、2回目接種は、1回目接種の翌日再度自分で申し込まなくてはならない。また1日がかりかと、電話をしたがやっぱりつながらない。だがネットにはすぐアクセスできて、20分で申し込み終了。接種日は、6月29日と決まった。当日は、1回目と同じように会場に行き、接種を受けた。注射液が入る時、ドクンという感じがしたが、そのあとは前回と同じくなんともなく、予防接種済証も交付された。 ただ2回目の副反応は重いと聞いている。確かにもう夕方から腕が痛くなってきたが、前回よりは軽い。安心して就寝して、朝一番に検温したら36度8分。熱はそのうち37度台になった。それと共に、だるさが出てきて1日何をする気もしない。これぞ、噂の副反応と覚悟した。熱は37度台を上下したが、それ以上上がらず、一応解熱剤を飲んで寝た。 翌朝さっそく検温したら、平熱に戻っていた。これですめば問題ない。60代の知人は39度台が3日続いたというし、80代の知人は何ともなかったとも聞く。若い人ほど副反応が強い傾向はあるが、こればかりは人によって違うようだ。 「広報すぎなみ」によれば、その後65~74歳の方、間をおいて12~64歳の方にも一斉にクーポン券を発送したそうだ。受付は7月中とある。最近、近所の人々や友人、知人の話題の一番は、ワクチン接種となった。 だがワクチン接種がすんだと言っても、安心はできない。厚生労働省によると、最も高い発症予防効果が得られるのは、ファイザー製のワクチンの場合2回目を接種してから7日程度経ってから。モデルナ製の場合も2週間後以降だという。 全体の6~7割ほどの人が接種を終え、集団免疫が獲得できる状況には届いていないため、「現時点では、感染対策をしっかりした上での生活が必要」とのことだ。 長かった新型コロナウイルスとの闘いは、ワクチン接種で一歩前進と言えるが、勝利の日まではまだまだ時間がかかりそうだ。