白馬八方尾根の「100活」宣言に寄せて
(★4ページ目の写真と合わせてごらんください。) 2017年11月05日
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この十月、私は誕生日を迎えた。また一歳年をとったことになる。そろそろ終活に移らねばならない年だが、私はいまだにしたいことが多くて、のんびりしていれられない性分だ。 好きなことをするためには、健康維持が一番のポイント。毎年九月には定期健診を受け、今年はそれに、胃カメラ、乳がん検診、眼の検診も加えた。結果は、まずまず日常生活には支障のない成績。多少、減速していく必要はあるだろうが、もうしばらく「この年だからこそできること」に、前向きに取り組みたいと思っている。 まず落選にもめげず書き続けていた小説では、先日、「高齢化社会をどう生きるか」がテーマのNHKの「銀の雫文芸賞」の優秀賞をいただいた。この年だから書けた小説で、テーマさえ選べば、高齢者にも道はあるのだと思った。 また「PHOTO俳句」の方でも、一つの展開があった。ホームペ―ジや角川詩歌館の展示で私のPHOTO俳句を気に留めてくれた友人が、白馬八方尾根の広報活動に参画していたので、私と白馬との出会いが生まれた。白馬の方々も、俳句と写真のコラボから生まれた作品を見て、白馬の自然の中で、PHOTO俳句を作ってみないかという話が始まったのだ。 そしてこの秋、白馬八方尾根の方々に、現地を実際にご案内いただいた。リフトで山頂まで登ったり、高山植物の「ネイチャーフラワーパーク」を見学したり、格調高い「白馬リゾートホテル」を訪ねたり、白馬ならではの温泉や料理まで味わって、句材にも写真にも事欠かない、充実した旅になった。そのPHOTO俳句は、前月、今月のこのホームページのトップでも一部紹介している。 白馬八方尾根は、昨年、「みんなで生き生き100歳を目指そうという『100活』宣言」を時代に先駆けて、発信している。「100活」宣言とは、今後は若年層に面倒をみてもらうという発想を捨て、「100歳まで活き活き」、「我こそ中心世代」、「我こそ人生の達人」というのが、基本マインドだ。六十五歳以上の人口は現在約三千三百万人で、四人に一人が六十五歳、二十年後の予測値によると、実に三人に一人が六十五歳になるとのこと。超々高齢化社会がすぐそこに来ているのだ。 具体的には、まず昨年末「100活ゲレンデ」をオープンさせた。安全、安心をコンセプトに、前を滑っている人がいたら絶対に追い抜かないこと、スピードを追求しないことがルールだ。ここは1998年の、第十八回冬季オリンピック開催地の一つであり、私ですら二十代にスキーに行ったことがあるスキーのメッカだ。その「100活」ゲレンデの新聞広告は、昨年十二月、信濃毎日新聞でも、話題広告賞を受賞している(4ページ目の写真参照)。それだけ、注目度が高かったということであろう。 「100活」宣言は、スキーばかりではない。アルプホルン演奏会や、アルプス合唱団などの「100活」コンサート、写真展や絵画展などの「100活」」アート、講演会、ワークショップなどの「100活」セミナーなど、文化活動にも広がりを見せつつある。 今、テレビ番組「プレバト」の影響もあってか、写真を詠む俳句が、だれにでも親しみやすいものとして、一つのブームになってきている。「100活」の文化活動の新しいアイテムとして、PHOTO俳句がジョイントできれば、さらに面白い展開が期待できそうな気がしている。