モノにも第二の人生を与えよう・キッチン編
2016年10月05日
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定年退職して十年余。始めは戸惑った第二の人生も、「かきもの」や写真、ウオーキングなどに励むようになって、毎日充実してきた。 合わせて終活の一つ、モノを「捨てる」も実行しているが、最近思い直したのは、古いモノだって捨てるだけでなく、第二の人生を与えてみてはどうかということ。そしてそれぞれに別の役割を課してみたら、思いがけなく活躍してくれている。 まず今回は、あれを買った、これを買い替えたと、買うことばかり書いてきたキッチン周りのものの、第二の人生に触れてみたい。 ■食器 今まで客用として大事にしまっておいたブランド食器や、古伊万里などは、惜しげなく毎日の食卓に並べて楽しんでいる。でも、以前普段使いしていた食器も、それなり愛着があるから、とりあえず手元に残した。 職人さんの仕事を見ていると、壁紙を貼るにしても、換気扇を掃除するにしても、これでもかというくらい養生をしてから、仕事を始める。だから仕上がりは、きれいだ。料理もこの手だと思った。 出来上がった料理を盛り付けるのはいい食器にしているが、古い食器を、調理中のわき役として活用するようにしたら、調理がスムーズに運ぶようになった。たとえば、中皿や小皿を、調理台に並べて、切りそろえた食材を分類して置いたり、菜箸や計量スプーンなどの一時置き場にする。準備万端ととのえて、食べる直前に一気に火を通せば、台所内を右往左往することなく、手早く美味しくできあがる、 古い小皿は、電子レンジする食品の受け皿などにも。室内の小ぶりの観葉植物の鉢の受け皿がわりにもする。プラスチック製のものより、インテリアとしてもおしゃれだ。 それでも余った食器類は、スペースが許す限り、食器棚の手の届かないところに収納。たまに大勢集まるお客様(妹家族はなんと総勢十八人)の取り皿などとして役立てている。だから役割は変えたけれど、古い食器もほとんど現役だ。 ■調理器具 よく使う鍋類は厳選、五つ。まな板も買い替えたが、今、古いものは、調理台の下で、フライパンや片手鍋を並べ、鍋敷きとして重宝している。古い箸は、短い菜箸として役立っている。なんでも第二の役割を考えれば、捨てなくてすむ。ただ壊れたものは、未練なく処分している。 ■空き瓶、くだものケース 空き瓶、空き箱やケース類は、皆さんも活用していると思うが、捨てずにキッチンの整理収納に。大きい瓶は、レンジのそばに置いて、頻繁に使う菜箸やお玉、フライ返しなどを、立てて収納。中瓶には、片栗粉や砂糖など粉類を、浅いカゴにまとめて、冷蔵庫の中に入れている。小瓶には、紅ショウガや福神漬けなどを入れて同様に。瓶は汚れたらすぐ洗えるのがいい。ただしいつか役立つだろうと貯め込むと、かえって台所がごちゃつくので、一定量以外は処分。 冷蔵庫、冷凍庫内の整理には、プラスチック製の透明のくだものケースがイチオシ。それもイチジク用が大きくていい。食品を分類整理できるし、一目で見渡せるので使い忘れ防止にも役立つ。透明だからじゃまにならない。これは再使用しないで、汚れたり、壊れたら、どんどん交換している。