ホームページ1年を振り返って
2014年03月01日
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昨年三月、「繭の部屋」という短編小説集を、自費出版して一年になる。幼い頃からの夢が小説家になることだったから、それでも大満足。装丁をお願いしたデザイナーのOさんが、「出版に合わせてホームページを開いては」と勧めてくれた。彼は、私が出版社で仕事をしていた頃からお世話になっていたエディトリアルデザイナーだが、今はウエッブデザイナーとしても活躍中。本の宣伝になればと、私は何もわからないまま、ウェッブの世界に足を踏み出すことになった。 まず、有名作家のホームページを開いてみた。作家は、著書がたくさんあるから、それだけでもページが埋まる。私は、一冊だけ。一ページで終わってしまう。彼の勧めもあって、小説の他に書いていた、エッセイや俳句も載せることにした。 それもこのために書くというのではなく、過去から現在まで、雑誌や新聞に掲載されたものにしぼることにした。これが予想以上にプレッシャーになった。応募したものが必ず採用されるというものではないので、機会を見つけてはチャレンジ。でもこの一年でいくつかは日の目を見た。 ただ、この「日々」のページだけは、このページのために、日常雑記を書き下ろすことにした。文章を書くのはいいとして、そうなると、今月は何を書こう、来月はどうしようと、平板な日々にも目が行って、何でもやってみよう、行ってみようと、毎日が前向きになった。 ホームページでは、ビジュアルも重要な要素だ。現役時代は、写真はプロカメラマンに依頼し、イラストは目的に合わせてこれもプロのイラストレーターにお願いするといった仕事をしていた。でもホームページでは、そんなぜいたくは言っていられない。当初は、巻頭になんとか自分でインテリア写真を撮って掲載していたが、すぐ種が尽きてしまった。苦肉の策として、毎月詠んでいる俳句のイメージに合う花や、木や、風景の写真を撮って、俳句と合わせて掲載することにした。あくまで俳句優先だが、これが意外と俳句を詠まない人にも、俳句と親しんでもらえて好評だ。 しかし、写真は全くの素人。それからは、改めてカメラの取扱説明書を取り出してみて、写真の撮り方を一から勉強し直した。今でも失敗ばかりしているが、とにかく一カットのためにも、何カットも撮ってみる。そうすると、一枚くらいはまあまあ満足のいくものが撮れるようになってきた。 イラストも写真と同じく素人だ。でもページにイラストがあるとないとでは、全く雰囲気が違ってくる。今は下手な絵でもなんとかヘタウマと許される時代。これも身の回りのものを何枚か描いてみて、彼に選んでもらうようにしている。 私のホームページには、ほかにも「プロフィール」や「新刊本紹介」があり、先月からは「リンクページ」も新設して、スタート当時から考えれば、かなり充実してきた。当初は、こんな展開になるとは想像もしなかった。 「牧康子の部屋」というホームページ開設は、思いがけず私の第二の人生を大きく変えた。毎月更新しているが、自分の月刊誌を出しているようにやりがいがある。こんな素敵なきっかけを与えてくれ、今もボランティア精神でフォローしてくれるOさんには、感謝しても仕切れないくらいである。